高血圧の治療 ・ 薬を飲む前にまずやるべきことがあります
高血圧の基準
血圧が高くてもそれだけでは症状がないことが多いです。そのため健診などで高血圧を指摘されても放っておいている人が多いと思います。
しかし
血圧が高いのを放置すると
1. 血管(ホース)に余計な負担がかかり続け、血管が固くなる(しなやかさがなくなる)
→ 体中に血液がうまく送り出せなくなる。
→ 腎臓病や脳卒中・心筋梗塞などの原因になる。
2. 心臓(ポンプ)が血液を送り出すために余計に働かないといけない。
→ 心臓に負担がたまっていく。
→ 心不全の原因になる。
症状がないからといって高血圧を
放っておくと大変なことになります!!
血圧の評価
血圧の評価に関しては、家庭血圧がとても重要です。医者の前でだけ血圧が高い人がいるからです(白衣高血圧、ただ白衣高血圧のひとはその後普通の高血圧になりやすいといったデータもあるようです)。
血圧を測定する前には1-2分休んでください。動いた直後は血圧もあがって当然で、上記高血圧の基準も安静時(休んでいるとき)のものになります。測定する前にトイレにいっておくことも大事です。個人的には手首で測定するものより腕で測定するものをお勧めしていますが、続けやすいもので構いません。
では血圧が高いからすぐ薬が必要かと言われると、必ずしもそうとはなりません。
薬を飲む前に必要なこと
ここから先は科学的な正確性というよりイメージの話です。
塩って放っておくとすぐ湿気てしまいますよね。これは塩に水を蓄える作用があるからです。塩を体に摂り過ぎると余計な水分が体(血管内)にたまるので血管への圧力(血圧)が高くなってしまいます。また血管の中に蓄えきれなくなった水分が足などにたまってむくみとなります。(塩分を控えると足のむくみがよくなる人は多いです)
熱中症予防で塩分もとりましょうと言っていますが、これも塩分が無いと水が体のなかにうまく残らないからです。高血圧で減塩しましょうというのと、熱中症予防で塩分をとりましょうということは、結局は同じ機序に基づいているのです。
運動に関して
高血圧で運動(有酸素運動)が有効であるとの記載は高血圧学会のガイドラインにも記載があります。だからと言って今日からいきなりランニングをするといったことはお勧めしません。 運動習慣がないひとがいきなり激しいことをするのは怪我のもとです。
まずは姿勢よく(おなかをへこませて背筋を伸ばす)歩くこと、最初は20分を目標にすること、が現実的だと思います。可能であれば所々早歩きを混ぜてもらうとより効果的です。
暑さや寒さが酷いときは、ショッピングモールの中などで歩くのがおすすめです。(空調が効いている+休憩スペースがたくさんある)
お酒・タバコ
お酒に関してはゼロにしろとは言いませんが、控えた方がよいです。
タバコは減らすだけでは不十分でゼロにすべきです。たばこは動脈硬化の大きな原因です。
他にも睡眠をしっかりとるといった生活改善全般が有効です。
二次性高血圧の検査
高血圧のひと全員に他の病気によっておこる高血圧(二次性高血圧)を調べた方がよいかと言われると、お金の面と頻度の面からはそうではないとなります。しかし若年での高血圧、一般採血に異常所見がある(カリウムや脂質・糖など)、難治性高血圧、などでは積極的に調べた方がよいと考えています。ホルモン(内分泌)が原因の高血圧では通常の薬が効きづらいということが多々あります。薬の種類によってはホルモンの検査に影響を与えてしまうので、最初の薬を選ぶときに注意が必要になってきます(本来医者が気をつけないといけないところですが)。
睡眠時無呼吸症候群がある場合にはそれをよくするだけで高血圧が改善する人もいます。
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